地球芸 怪獣の花唄

その他

40代で始まる暑い夏!小学生の娘とダンス未経験の父が市川市文化会館のステージに立った話

40年以上生きてきて、まさか自分がスポットライトを浴びてダンスをする日が来るなんて、夢にも思っていませんでした。

これは、かつてダンスを「自分とは無縁の世界」だと思っていた40代ダンス未経験の父親が、愛する娘と一緒に、あの市川市文化会館の大ホールのステージに立つまでの、汗と、涙と、最高の笑顔の記録です。

地球芸 最後の決めポーズ

「関わってはいけない」とさえ思っていた世界へ

かつての偏見と、娘のステージがくれた感動

少なくとも、自分が幼かった頃はダンスは今ほど一般に浸透していませんでした。

もちろんダンスをやっている人はいましたが、どちらかというとちょっとヤンチャな人たちが夜な夜な公園や閉店したお店の鏡の前にたむろして練習しているイメージ。 正直に告白すると、アウトローな人たちのものというか、どこか関わってはいけない世界のようにすら感じていました。

ところが時代が変わり、価値観も変わり、今や誰もが自然にダンスに親しむ時代。

御多分に漏れず、小学生になった娘もダンススクールに通い始めました。

一生懸命に練習に取り組む姿勢、そして発表会では心から楽しそうに踊る娘と、その仲間たちの姿。ステージから放たれるエネルギーは、ダンスに全く興味がなかった自分の心さえも、毎回わしづかみにするほど感動的で、父親になってからダンスに対するイメージが180度変わりました。

地球芸 vol.8

やすじゅん
我が子の踊る姿に限らず、一人の観客としていつもみんなのダンスに魅了されていました!

きっかけはキックボクシング!?

実はもう10年以上趣味でキックボクシングをやっているのですが、ボクシングの第60代日本ライト級王者である土屋修平さんから、「相手の攻撃を交わすには、ダンスの練習でよく行うアイソレーション(体の一部を独立させて動かす動き)が有効だ」と教わりました。

キックボクシング

土屋さんも学生時代にダンスをされていて、確かに動きがしなやか。

無駄のない最小限の動きで頭の位置をずらしてパンチを交わす姿が、非常にスタイリッシュでカッコよく見えました!

「自分もこうなりたい!」

早速、自宅に帰って娘に相談です。

ただ、娘もまだアイソレーションが得意と言えるほどではなく、「今度先生にどうやったらうまくなるか聞いてみてよー」とお願いしてもなかなか聞いてもらえず。

それならばと、試しに娘のダンススクールの体験レッスンに足を運ぶことを決意しました。

当然、我々の時代はダンスが学校で必修化されていなくて、ダンスとは無縁の人生を歩んできたこともあり、超緊張しましたが温かく迎えていただきトライ!

体力だけはついていけたものの、小学生たちのように柔軟な身体も頭もないので、振りを覚えることも表現することもできず惨敗でした。

全然踊れない。

でも、それ以上に、娘と同じ空間で同じことに挑戦できることが、たまらなく嬉しく感じました。

体験レッスンは一度限りですが、その後も続けるかどうか決めかねていた時に、娘が言ってくれました。

「一緒にやろうよ!」

この一言が、新しい挑戦の始まりでした。

やすじゅん
娘が、いつまでこんな言葉をかけてくれるかもわからないしね!

小学生の同級生たちと、忘れては覚える日々

小学生たちと、忘れては覚えるレッスンの日々

2025年3月。

娘と、家族ぐるみで仲の良い娘の友達、そして他の小学生たちに混じってKIBE先生の日曜日のレッスンに通い始めました。

やすじゅん
大人も参加して良いレッスンながら、大半は小学生で、父親で参加してるのは一人だけだったよ!

体はかたいし、リズム感は皆無。

先生にとっても、ダンス未経験の40代のおじさんが「本当にレッスンに通うの!?」と驚かれたと思いますが、そんな絶望的な自分を温かく迎えていただき、そして毎回丁寧に教えてくれて本当に感謝しかありません。

やすじゅん
経験豊富なすごい先生だけど、大変だったと思う!

毎週のレッスンは、楽しいながらも、付いていくのに必死。

頑張って1つの振りを覚えても、その前に覚えたはずの1つを忘れている。そんなことの繰り返し。

レッスンで撮影してもらった動画を娘と二人で見返しながら、一緒に自宅でも練習しました。

そして、娘に乗せらるまま、発表会にも出ることが決まりました!

やすじゅん
最初は不安でいっぱいだったレッスンが、KIBE先生とクラスの仲間たちのおかげで、いつしか「待ち遠しい日曜日」に変わっていたよ。

最大のピンチ!謎の発熱と、リハーサルでつかんだ一筋の光

ところが、発表会を1ヶ月後に控えたタイミングで、謎の発熱。3週間も寝込んでしまい、練習ができない焦りと、みるみる落ちていく体力。不安ばかりが広がりました。

なんとか復帰して迎えた本番2週間前の止め通しリハーサル。 初めて同じクラスの仲間以外の人たちに自分のダンスを見られるこの日は、実は本番以上に緊張しました。

止め通しリハーサル

そして、約1週間前には、本番の衣装も着ての照明リハーサル。

ところどころ不安は残りましたが、娘とのアクロバティックな見せ場が成功した時、会場から「おぉ」という声があがった時は、自分も嬉しかったし娘にとっても自信になったようでした。

とはいえ、本番直前にも関わらず自分のレベルは、アップとダウンのリズムの取り方が「ちょっとだけわかってきた」という程度。センターで踊る時間もあるというのに…。

本番当日まで自宅でも汗だくになりながら練習を続け、ほんの少しだけ、本当にほんの少しだけ、光が見えてきた気がしました。

いよいよ本番。市川市文化会館のステージへ

楽屋にて。一人のおじさんと、天使のような子供たち

朝も落ち着かず、自宅を出発するギリギリまで娘と一緒に最後練習。

自信はなかったものの、もう吹っ切れたのか、意外と落ち着いた気持ちで12時に市川市文化会館に入りました。

楽屋は男女別々。子供たちが元気にはしゃぐ男子楽屋で、ポツンと一人のおじさん。少しだけ心細さを感じていましたが、子供たちが「はい!」とお菓子やメッセージカードをくれました。その優しさにどれだけ元気をもらえたことか!

やすじゅん
本当にこのダンススクールの子供たちは、良い子ばかり!!

改めて己のダンスレベルに愕然

そして、12:30からは全員そろってエンディングの練習。

全員で踊る簡単な振り付けなのですが、それでさえ少し躓いてしまうダンスレベルです。

やすじゅん
とにかく何度も繰り返して身体に染み込ませないと振りを覚えられない…

客席が見えない!ステージに立ってわかった安心材料

エンディングの練習の後は、ゲネプロ(最終リハーサル)です。

初めて本番のステージに立ったのですが、やはり広い!

そして、踊ってみてわかったことは、ステージ上は照明が眩しくて、客席がほとんど見えない!

ゲネプロ

でも、そのおかげで、「これならお客さんの目を気にせず踊れるぞ」と思えたことは、自分にとってプラスでした。

やすじゅん
本番前に一度ステージで踊る機会があって本当に良かったー!

開演!客席から見た仲間たちの眩しい輝き

そして、ゲネプロ後に少しおにぎりなどでお腹を満たし、17:30にとうとう真夏のダンス発表会『地球芸 vol.10』が開演しました!

地球芸 vol.10

やすじゅん
会場には、義母や義妹家族も足を運んでくれたよ!

自分の出番は、第2部の3演目め。

というわけで、第1部では、客席から仲間たちのダンスを観覧しました。

浦安高校ダンス部の迫力あるオープニングの後は、娘の大親友であり、今回一緒に踊る仲間の一人が出演するHINA classの『LOCKIN'』。

止め通しリハで初めて見た時から、Mrs.GREEN APPLEの『ライラック』で踊るこの演目が大好きだったけど、本番は照明も加わって本当に最高でした!

やすじゅん
初めて『地球芸』に参加するHINA先生は、感動のあまりゲネプロから泣いてしまっていたらしい。

その後も、第1部は客席からみんなのダンスを見ていたんだけど、小さい子から大人まで本当にみんなキラキラしていて、ダンスってなんて素晴らしいんだろうと改めて感じました。

舞台袖でのサプライズ!先生からの手紙とこみあげる想い

第1部と第2部の15分の休憩時間に、一緒に踊るメンバー全員で舞台袖に集まりました。

楽しいダンス集合写真

「みんなで頑張ろう!」と写真を撮り、気持ちを一つにしていると、サプライズで先生から一人ひとりに直筆の手紙が…。もう、嬉しすぎるし、より一層ステージに向けて気持ちが入りました!

あとは、全力で、心から楽しんで踊るだけ。

やすじゅん
一緒に頑張ってきたこのメンバーと一緒にステージに立てるだけでも幸せ!

ただ、本番に強いはずの娘が、これまでにないほどガチガチに緊張していました。何か声をかけてあげたかったけれど、気の利いた言葉一つ出てこなかったのが後悔…。

最高の3分間。高揚感と、悔しさと、感謝と。

そして、とうとう出番。 ステージに上がった瞬間、何かが吹っ切れました。 とんでもない明るさの照明、背後のスクリーンに映し出される映像!「うわ、すごい!気持ちいい!」

Vaundyの『怪獣の花唄』からLÒNIS & Little Leagueの『Light It Up』への流れで、心の底から笑顔で踊れた瞬間もあれば、緊張で顔が引きつっていた瞬間もあったはず。 長いようで短く、短いようで長い、約3分間。

…2ヶ所、振りを間違えました。

踊りきった後、汗だくの中で感じたのは、「やり切った!」という達成感よりも、「あぁ、失敗してしまった…」という悔しさでした。

でも、今はこう思えます。 この悔しい失敗も含めて、こんなに素晴らしい経験ができたことが、何よりも幸せだと。 40代の父親が、小学生の娘と本気で一つのステージを目指す。悪くないじゃないですか。

感謝を込めて。心から楽しめた最高のフィナーレ

最後のエンディング、出演者全員でステージに上がって踊った時は、心から楽しくて、自然と笑顔がこぼれました。

この『地球芸』というステージは、自分の力だけでは絶対に立てませんでした。 踊ることの楽しさや素晴らしさを教えてくれたKIBE先生、いつも笑顔をくれたクラスの仲間たち、この挑戦を応援してくれた家族、そしてダンススクールの関係者の皆さんや当日関わってくださった全てのスタッフ。本当に、本当にありがとうございました。

集合写真

この歳になって、こんなかけがえのない経験ができるなんてありがたいし幸せです。

幸いなことに、娘は「次も一緒に出ようね!」と言ってくれています。まだ親子でステージで輝く夢を追いかけられそうです!

親子で花束

【こぼれ話】市川市文化会館大ホールは特別なステージでした

ファンキー加藤さんにとっても「はじめの一歩」

実は、大好きなファンキー加藤さんが、FUNKY MONKEY BABYSの解散後にソロデビューして、初の全国ツアー『ONE FOR HALL TOUR 2015』の初日の公演を行ったのが、この市川市文化会館でした。

ファンキー加藤 市川市文化会館

そのライブの時は、その後にこんな素敵なストーリーが繋がっているとは思いませんでしたが、加藤さんが一人になって勇気を振り出して踏み出した一歩目のステージが、自分のダンス人生の一歩目のステージになりました。

そして、今年の12月19日(金)には、再結成したFUNKY MONKEY BΛBY'Sとして、再びこのステージに立ちます。

そんな、大切なステージに立つことができた。 しかも、大切な娘と一緒に。

衣装に込めた秘密と、次のステージへの約束

ダンスの時に着ていた衣装のTシャツは、実はファンモンのライブTシャツです。

ファンモンのライブTシャツ

やすじゅん
2023年に開催された『太陽の街ツアー』のTシャツ!口に見える部分が、FUNKY MONKEY BΛBY'Sと刺繍されているよ。

たぶん、 誰にも気づかれなかったと思うけど、最高のお守りと思い出になりました。

次の発表会は12月22日(月)。 奇しくも、ファンモンのライブのわずか3日後です。

ファンモンと同じステージに、今度はもっと成長した姿で立つ。 最高の目標ができました。また娘と一緒に頑張ります!

娘とのダンス

-その他
-, ,