尾道から広島まで120kmを歩く『せとうちジャーニーウォーク』に参加するため、東京駅から倉敷までは人生で初めて寝台列車で移動することにしました。
現在、日本で定期運航している唯一の夜行列車『サンライズ瀬戸・出雲』です。
幼い頃から、寝台列車で旅をしてみたいとずっと思っていましたが、今回やっとその願いが叶いました。
予約
チケットを取ったのは、乗車日のちょうど1か月前の午前10:00。
発売開始と同時にJR西日本ネット予約「e5489」を操作し、なんとか10:01に個室の中では最も安いB寝台「ソロ」を予約できました。
広島に向かいやすく、その上で最も長く『サンライズ出雲』に乗れるように、降りる駅は倉敷にしました。
料金は、20,570円です。
発車前
シャワーカードの購入準備
乗車当日の天候は、残念ながら雨。
事前の調査で、シャワーカードはすぐに売り切れてしまうこと、『サンライズ瀬戸・出雲』は21:25頃に東京駅に入線することがわかっていたので、前もって21:15には東京駅の9番ホームに到着しました。
乗車後すぐにシャワーカードを購入するためには、シャワーカードの販売機から最も近い乗り場で待機する必要があります。
シャワーカードの販売機が設置されている車両は3号車と10号車。
今回予約できた部屋が10号車だったこともあり、今回は10号車の販売機でシャワーカードを購入することにしました。
ここで気を付けなくてはいけないのは、販売機が設置されている車両は10号車ですが、販売機から最も近い乗り場は10号車ではないということです。
10号車の中でも、11号車寄りの場所にシャワーカードの販売機が設置されているため、11号車の10号車寄りの乗り場が、シャワーカードの販売機に最も近い乗り場ということになります。
11号車の乗り場に到着すると、既に10名弱の方が並んでいました。
そして、予定通り21:25。
9番ホームに『サンライズ瀬戸・出雲』が入線してきました。
シャワーカードの購入
早速車内に乗り込み、無事にシャワーカードを購入できました。
料金は、330円です。
個室(B寝台「ソロ」)
シャワーカード購入後は、早速10号車にある予約した部屋へ。
10号車の通路は狭く、両側に部屋が設置されています。
今回予約した部屋は16番。
10号車は、上下の2階建て構造になっていますが、16番は上の部屋です。
小さな階段を上ると、1人が足を広げて眠れるスペースのベッド、布団、枕、寝巻が用意されています。
大きな荷物を格納できるスペースと、ハンガーもあります。
コップ、スリッパ、コンセントなども用意されているので、一晩を電車内で過ごすだけなら必要十分な印象です。
また、内側から鍵をかけられるのはもちろんのこと、外側からもナンバーキーで鍵をかけることができるので、部屋を空ける際も安心です。
まだ出発まで15分程あったので、部屋を出てもう少し『サンライズ瀬戸・出雲』を体感してみることにしました。
ちなみに、外から見た16番の部屋はこんな感じです。
車両設備
まずは、『サンライズ瀬戸・出雲』の最後尾に行ってみました。
あいにくの雨でしたが、4~5名の方が記念に写真撮影をしていました。
せっかくなので、自分も1枚!
10号車に戻り改めて車内を確認すると、自動販売機がありました。
『サンライズ瀬戸・出雲』では、車内販売はないのですが、喉が渇いたらここでドリンクを購入できるので安心です。
また、10号車にはミニサロンのスペースもあります。
車窓を見ながら食事や歓談を楽しめますが、わずか8席しかないので人気です。
そして、忘れてはいけなのがシャワールーム。
10号車にはシャワーカード販売機の体面にシャワールームが設置されています。
ちなみに、まだ出発前ではありましたが、改めてシャワーカード販売機を見てみると、既にシャワーカードは売切れていました。
絶対にシャワーを浴びたい方は、『サンライズ瀬戸・出雲』の入線前に待機列に並んでおいた方が確実です。
その他、10号車にはトイレや洗面台も設置されていて、結構快適に過ごすことができます。
乗車中
出発
2023年9月22日(金)21:50。
定刻通り、『サンライズ瀬戸・出雲』は東京駅を出発しました。
いつも乗る電車よりも、車窓が高く、景色が新鮮です。
乗り心地
せっかくの機会なので、寝台列車からの車窓を楽しみたいところでしたが、翌朝からは寝ずに120kmを歩くので、寝巻に着替えて早々に寝ることにしました。
ちなみに、寝心地は決して悪くなかったのですが、興奮してしまったのかなかなか眠りにつくことは出来ませんでした。
10号車はモーター音が気になるというコメントも事前の調査で目にしていましたが、それはあまり気にならず。
代わりに、もともと車酔いや船酔いをしやすい体質ではあるのですが、少し酔った感じはありました。
また、たまに人の笑い声なども聞こえてきましたが、そこまで気にならないレベル。
じっと横になって目をつぶっていたら、いつの間にか寝てしまっていました。
トラブル発生
翌朝午前5:00頃。
眠っていたら、突然の車内放送で目が覚めました。
どうやら、東海道線内は大雨の影響で減速や停車をしたらしく、約35分遅れて運行しているとのこと。
寝ていたら、いきなり車内放送が入り、『サンライズ出雲』は約35分遅れで運行中とのこと。
早く到着するから尾道で朝ラーしようと思っていたけど、その時間はなくなりそう…。
その分、あと1時間くらい眠れるようになったとポジティブに捉えよう。https://t.co/8d5TvxX70K
— やすじゅん(ニヤ) (@yasujun11) September 22, 2023
この遅延により、姫路駅や岡山駅から次の特急列車や新幹線に乗り継ぎを考えていた方が、乗り継ぎできなくなってしまったそうです。
代わりに、『サンライズ瀬戸・出雲』の乗車券を持っていれば、姫路駅から始発の新幹線『みずほ601号』(鹿児島中央行き)の自由席を利用できることがアナウンスされていました。
慌てて乗換案内で調べたところ、35分遅れのままであれば『せとうちジャーニーウォーク』の受付時間の締め切りである9:30より前に尾道駅に到着できそうなことがわかり一安心。
とは言え、当初は早めに尾道駅について朝ラーメンを満喫しようと思っていたのですが、この遅延によりその夢は儚く散りました。
外もやや明るくなってきたところで、個人的に楽しみでもあったシャワーを浴びることにしました。
シャワー利用
シャワー室は、大人一人が過ごすには十分な広さ。
脱衣所も決して狭くはなく、ちゃんとドライヤーも用意されています。
使い方としては、まずは脱衣所で服を脱ぎ、シャワーカードを挿入します。
そうすると、シャワールームのタイマーに、6分00秒と残り時間が表示されてシャワーが使えるようになります。
あとは、時間内にシャワーを浴びるだけです。
シャワールーム内には、ちゃんとボディソープとリンスインシャンプーも用意されています。
ちなみに、今回使ってみたところ、残り時間は2分52秒でした。
髪の長い女性などはもう少し時間がかかるかもしれませんが、6分間あれば十分に頭も身体もキレイに洗い流せそうです。
シャワーのおかげで、気持ちの良い朝を迎えることが出来ました。
連結切り離し(岡山駅)
車内放送の時点では35分の遅れでしたが、その後も遅れは拡大。
結局、予定時刻から45分程遅れて岡山駅に到着しました。
岡山駅と言えば、名物の『サンライズ瀬戸』と『サンライズ出雲』の切り離し。
高松に向かう『サンライズ瀬戸』とはここでお別れです。
岡山駅に到着すると、早速多くの乗客が連結部分に集まってきました。
あまり停車時間も長くはないので、係の方が素早く作業を行っていました。
『サンライズ瀬戸』を見送った後は、乗り遅れないようにすぐに『サンライズ出雲』に乗り込み、もう少し西へ向かいます。
到着
2023年9月23日(土) 7:35。
予定より約50分遅れて倉敷駅に到着しました。
出雲に向かう『サンライズ出雲』ともここでお別れです。
到着が遅れてしまったことは残念でしたが、これもまた旅。
降りてしまうと寂しさも感じるくらい、終始ワクワクが止まらなかった人生初の寝台列車でした。
途中、山陰本線も事故の影響で遅れているニュースもありましたが、なんとか7:50発の山陽本線にも無事に乗り換え完了。
9:30が締め切りだった『せとうちジャーニーウォーク』の受付にも間に合いました!
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移動自体を楽しめる貴重な体験だったので、また別の機会に『サンライズ瀬戸・出雲』で旅をしてみたいと思っています。