湯渡し100とは?神奈川100kmウォークの概要
2024年3月15日(土)~16日(日)に新たなウルトラウォーキングの大会が初開催されました。
その名は、第1回神奈川100㎞ウォーク「湯渡し100」。
スタートは湯河原、ゴールは川崎市にあるブレーメン通りで、制限時間は26時間です。
「歩く事」の大切さや素晴らしさ、それに関係する町・商店街・お店・人など全ての「つながり」を感じる事を目的としています。
出場を決めたきっかけと事前準備
ゴールドのレジェンドナンバーカードで歩き切った2024年10月の関西エクストリームウォーク100以来、約半年ぶりの100km。
先週の東京大会でエクストリームウォークを10回完歩したので、ゴールドのレジェンドナンバーカードを特別に用意していただいたが故に、絶対にリタイアできないプレッシャーの中、なんとか今週の #関西エクストリームウォーク100 も完歩出来ました。先週より約1時間速い18時間14分でゴール!#ktw pic.twitter.com/Gg8k4HVll4
— やすじゅん(ニヤ) (@yasujun11) October 26, 2024
そもそも「第1回」という言葉に特別な魅力を感じるタイプで、これまでも様々なウルトラウォーキングの第1回大会に参加してきました。
これまで参加した第1回大会(ウルトラウォーキング)
- 第1回東京エクストリームウォーク100
- 第1回関西エクストリームウォーク100
- 第1回東京エクストリームウォーク50K
- 第1回三浦半島周遊ウルトラウォーキング
- 第1回日本平と駿河の国史跡巡りウルトラウォーキング
- (第1回)せとうちジャーニーウォーク2023
- (第1回)Sunrise to Sunset Walk
今回もそこに一番の魅力を感じ、迷うことなくエントリー。
とはいえ、もともと在宅勤務で家から一歩も出ない生活な上に、最近は公私ともに忙しく全く運動ができない日々で、「完歩できるだろうか?」という不安が正直ありました。
ただ、13:00スタートで、前泊なしでも参加できる大会というのは首都圏に住む者としてはありがたい条件。
さらに、 これまで100km以上歩くウルトラウォーキングには14回参加して全て完歩しているので、絶対に苦しくても最後まで歩き続けようという気持ちで参加しました。
当日の持ち物・装備まとめ
今回の天気予報はまさかの雨。
寒さ対策も必要な気象条件だったので、持ち物はいつもより増えました。

装備系
- ヘッドランプ
- 充電バッテリー
- Garminの充電器
衣服系
- レインウエア(上下)
- ダウンジャケット(小さく畳めるタイプ)
- ソックス(交換用)
- シューズカバー
食べ物系
- 茶(500ml)
- スポーツドリンク(500ml)
- エナジージェル(5個)
- 塩大福(5個)
その他
- コンタクトレンズ(予備)
- サングラス
- 折り畳み傘
- 痛み止め薬
もともと持ち物に含めていなかったのですが、家を出る直前に何となく「念のため持っていくか」と慌てて手に取ったダウンジャケットと手袋が結果的には大活躍。

ちなみに、いつも通り着替えは持たなかったのですが、今回もやはり必要ありませんでした。
実際に歩いたルートの記録(スタート~ゴール)
スタート前(受付~スタート)
JR湯河原駅からは、運営が用意してくれた無料臨時バスで会場へ。
会場では、スタッフやガールスカウトの子どもたちが温かく迎えてくれました。

その後は開会式。
この頃には、じっと立っているだけで体が冷えてくる気温に感じて、スタート前からレインウエア上下とダウンジャケットを着て臨みました。

スタート30分前の12:30頃に、ゼッケン番号にもとづいて100人ごとに分かれてスタート位置に整列。
自分は100~199番の一番前に並びました。
みんなで準備運動などをしたりしながら、13:00ちょうどに2人ずつ順番にスタート。
本大会は公式なタイム計測はないのですが、自分は13:05頃にスタートゲートをくぐり、いよいよ川崎までの100㎞が始まりました。
スタート~国府津エイドステーション(約28km)
スタート直後はまだ雨は降っていなくて、湯河原の街並みを楽しみながらのウォーキング。

30分ほどで湯河原駅に到着しました。
ここからさらに海に向かって歩きます。
国道135号線にぶつかると、そこからは海沿いの道。
そして、真鶴駅を過ぎると今度は山道に突入です。
神奈川県道740号小田原湯河原線は、歩道がない箇所も多く注意が必要ですが、登りながら眺める相模湾の景色は最高でした。

しばらく歩くと、小田原市に入りました。
しかし、このあたりからポツポツと雨が…。
雨が降るのは夕方からと予想していたのですが、こんなにも早く雨が降り出したのは想定外でした。
そんな中、根府川駅では、ガールスカウトの皆さんがペットボトルの水を配っていました。
そこには、心温まる手書きのメッセージが!
「よし!頑張ろう」と元気をもらいましたが、ここからとうとう雨は本降りに。
傘を差しつつレインウエアでしのいではいたものの、靴が早々に濡れてしまいました。

幸いにも、スタートから約20km地点にある『鈴廣かまぼこ 石橋店』さんが軒先で雨宿りをさせていただくことが出来ました。
ここで、遅ればせながらシューズカバーを装着。
使い捨てのわりにはちゃんと雨水を防げましたが、既に靴が濡れていたため足裏がふやけ、ここからは違和感を抱えながらのウォーキングに。
それでも、17:30頃に第1チェックポイントの『BLEND PARK 国府津』に到着しました。
スタートから約28km地点のこちらでは、小田原産の鹿肉串焼きを500円で購入。
美味しくタンパク質を補給できました。

国府津エイドステーション(約28km)~平塚エイドステーション(約45km)
10分ほど休憩して、国府津エイドステーションを出発。
ここからしばらくは、慣れ親しんだ東京エクストリームウォーク100と同じコースです。
二宮を過ぎて大磯に入り、途中のファミリーマート大磯店から先は、平塚競輪場を通っていた昔の東京エクストリームウォーク100のコース。
懐かしさも感じながらウォーキングを楽しめました。
20:00頃に平塚市へ。
そこから15分ほどで第2チェックポイントの『紅谷町まちかど広場』に到着しました。
スタートから約45km地点のこのエイドでは、おにぎりと崎陽軒のシウマイ2個をいただきました。

平塚エイドステーション(約45km)~藤沢エイドステーション(約56km)
平塚エイドステーションでは、5分ほど休憩してすぐに出発。
すぐにJR平塚駅を通過し、20:50頃には茅ヶ崎に入りました。

ちょうどこの区間で約半分の50kmを通過。
手元の時計では、スタートから8時間30分くらいで約50kmを歩けました。
この後は、辻堂に向かい、そこからは線路沿いを藤沢方面へと進みます。
途中、せとうちジャーニーウォーク2023に参加したときに乗った寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」とすれ違いました!
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だいぶ疲労も溜まってきていましたが、23:00前に藤沢エイドステーション(藤沢商工会議所)に到着。
スタートから約56kmのこちらでは、丹沢あんぱんと鳩サブレーをいただきました。

藤沢エイドステーション(約56km)~戸塚エイドステーション(約76km)
10分ほど休憩して、藤沢エイドステーションを出発。
すぐに藤沢駅を通過し、鎌倉方面へと向かいます。

0:15過ぎに鎌倉駅に到着。
さすがに疲労が溜まってきたのと、寒さも厳しくなってきたので、自動販売機でホットコーヒーを買って小町通り大鳥居の前のバス停のベンチで少し休憩しました。
観光客でにぎわう昼間の小町通りとは打って変わって、深夜の鎌倉は人影もなく閑散としていて、非日常的な静けさ。

少しだけ復活したので、ここからは小町通りを鶴岡八幡宮に向かって進みます。
その後、鶴岡八幡宮を横目に今度は北鎌倉駅を通って大船駅方面へ。
このあたりから眠気が強くなり、足取りも重くなってきました。
そのせいか、大船駅手前でルートを誤って進んでしまう羽目に。

一度元の道に戻り、1:30頃に大船駅を通過。
その後も、また道を間違えるアクシデントがありつつも、何とか第3チェックポイントの戸塚エイドステーション(戸塚モディ)に到着しました。
かなり疲れていたため、スタートから約76km地点のここではしっかり長めの休憩を取ることに。
ぷちらぱんとバナナ、温かいコーヒーをいただきながら、足の裏を確認すると水ぶくれができていました。
最近のウルトラウォーキングでは水ぶくれができたことはなかったのですが、今回は序盤で靴が濡れてしまったのがおそらく原因の一つ。
また、ここでシューズカバーも新しいものに交換しました。

戸塚エイドステーション(約76km)~六角橋エイドステーション(約95km)
戸塚エイドステーションで20分ほど休憩して再び歩き出したものの、案の定足がすっかり固まってしまっていて、動き出しは本当にしんどい状態。
疲労はピークに達していて、足の痛みもかなりのものでした。
それでも、ここから先のルートは東京エクストリームウォーク100とほぼ同じ。
勝手知ったる慣れ親しんだコースという点では安心感がありました。
ただ、今回は横浜市児童遊園地には向かわず、弘明寺方面から関内を目指すコース。
思っていた以上に足の痛みと疲労の蓄積はすさまじく、黄金町駅前のベンチで雨をしのぎながら短い休憩をとりました。

その後、横浜スタジアムや観光名所が視界に入ってくると、自然とテンションも上がってきました。
像の鼻パークでは、豪華客船が見える絶景ポイントも通過。
しかし、このあたりは雨風がひどく、せっかくの景色もゆっくり楽しむ余裕はなかなかありませんでした。
パシフィコ横浜の近くでも、雨風をしのげる場所を見つけて座って休憩。
そうしてゆっくりゆっくり歩を進めつつ、ようやく最後のエイドステーションである六角橋商店街に到着しました。
ここでは、牛すじ肉のそばかうどん、または肉そばか肉うどんを選べるとのことで、迷わず「牛すじ肉うどん」を注文。
なんと『田舎そばうどん 加茂や』の店内で、本格的な牛すじ肉うどんをいただくことができました。
身体の芯まで温まったのはもちろんのこと、まともな食事が久しぶりだったこともあり、エネルギーと塩分の補給もできました。

六角橋エイドステーション(約95km)~ゴール
なんとか力を振り絞って出発しようと思ったのですが、なんと残り距離は5kmではなく、実際には約8kmあるということをスタッフから聞きショック。
それでも、「まずは菊名駅まで」と気持ちを切り替えて、とにかく夢中で歩き出しました。
菊名駅を越え、綱島駅、日吉駅と続く道のりが本当に長く感じられ、ひたすら「まだかまだか」とスマホの地図とにらめっこしながら前進。
体は疲労困憊でしたが、慶應大学日吉キャンパスを過ぎると「いよいよゴールが近い」と思えたことで、不思議と足取りが軽くなっていったのを覚えています。
そして、9:00過ぎに川崎市中原区に突入。
そこから歩くこと約15分。
ついに「ブレーメン通り」の看板が見えました!
達成感がこみ上げる中、雨の中を一歩一歩踏みしめながら進み、9:30前に無事ゴール。
もう家に帰るのがつらいくらいの疲労感でしたが、なんとか今回も完歩できました。
ゴール後の心と体の状態・リカバリー
振り返ってみると、今回は一度もコンビニに寄らずに完歩。
食欲が湧かなかったり、雨で食べづらかったりしたのもありますが、栄養補給自体も足りなかったかもしれません。
それでも、終始スタッフの方々の優しさに支えられ、温かい気持ちでゴールできました。
発表されたリザルトによると、参加者465名中、完歩者は272名。
完歩率は58.5%という、まさに過酷な大会でした。
自分にとっても、スタートからゴールまでほぼ雨の中歩いたのは初めての経験で、これまでの100kmウォーキングの中でもトップクラスの過酷さ。

記録は、手元の時計で20時間23分。
決して速くはないけど、雨の中でも一歩一歩、自分の足でゴールまでたどり着けたことは自信になりました。
湯渡し100完歩のためのポイント・コツ5選
湯渡し100は、3月中旬という開催時期の関係上、雨になると体感温度も低く一気に完歩の難易度が上がります。
今回実際に歩いてみてわかった完歩のためのポイントやコツは3つです。
完歩のためのポイント・コツ
- 装備の軽量化:
- 約12万歩を歩く上では、1歩あたりの足にかかる負担を1g減らすだけでもトータルでは大きな違いに!荷物はとにかく軽く!
- 防水対策:
- 今回のような雨天時は、レインウエアだけでなく傘やシューズカバーも必須!防水スプレーをシューズにかけておくとなおGood!
- 防寒対策:
- 対応調整には脱ぎ着しやすい防寒具が有効!寒いときは小さく畳めるダウンジャケットがあると効果的!
少しの雨ならレインウエアだけで良いかもしれませんが、今回は傘も役立ちました。
ただ、強風の場合は傘を差すこと自体が大変なので、折り畳みできる小さめの傘がおすすめです!
出場を検討している方へアドバイス
湯渡し100に出てみたいけれど、「本当に完歩できるだろうか?」と不安に感じている方も多いはずです。
自分自身も今回は運動不足や天候の心配があり、不安を抱えながらのスタートでした。
そんな経験を踏まえて、初めて出場する方やウルトラウォーキングに慣れていない方に向けて、湯渡し100に必要な準備や心構えに関するアドバイスを3つ書いてみました。
出場を検討している方へ
- 雨天・寒冷の想定は必須!数日前から天気予報を確認して、油断せず装備を揃えておきましょう。
- 完歩を目的とするなら、タイムや順位を気にしない。自分のペースで無理なく歩きましょう。
- エイドでは、身体を横にして足を身体よりも高く上げるのも効果的。足に溜まった疲労を軽減できます。
見所も多く、とにかくスタッフ全員が温かいので、天候にさえ恵まれればより素晴らしい大会になるはず!
まとめ
今回の湯渡し100で、100km以上歩くウルトラウォーキングの完歩回数は通算15回になりました。
これまで歩いてきた大会の中でも、湯渡し100は最も心温まる大会の1つと言えるくらい、本当にスタッフのホスピタリティが素晴らしい大会です!
来年以降は天気にも恵まれてこの素晴らしい大会が多くの人たちから愛される大会になることを願っています!
初開催となった #湯渡し100 ですが、湯河原から元住吉までの100km超をなんとか歩ききれました。
スタートからゴールまでほぼ雨に降られ続けるのは初めてで、15回完歩したウルトラウォーキングの中でも1、2位を争うキツさだったかも。
でも、スタッフのホスピタリティーが素晴らしくて心温まる大会! pic.twitter.com/X23fOBugsf
— やすじゅん(ニヤ) (@yasujun11) March 16, 2025